今月は9月13日から公開された「記憶にございません!」を観てきました。
三谷幸喜監督の映画はいつ見ても笑ってうるっときて最高です。
それでは、月に1回のゆる映画感想とレビューのはじまりはじまり♪
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「記憶にございません!」の予告
「記憶にございません!」はあらすじが既に面白い
主人公の嫌われ総理大臣が、演説中に投げられた石に当たり総理大臣になってからの記憶を失くしてしまうというストーリー。
予告動画にもあるように、中井貴一さんの嫌われている方の演技が既に面白いです。
勝手な私の印象ですが、中井貴一さんは優しく穏やかでゆったり話すオジサマのイメージでしたので、「悪い役の時は悪い顔してるんだな~」と演技力の高さを感じました。
全登場人物に笑いどころが設定してある
主人公の中井貴一演じるダメ総理は、人間的なダメ加減が笑えて
几帳面で真面目そうな秘書井坂さん(ディーン・フジオカさん)は真面目じゃない部分が面白くて
邪悪な官房長官(草刈正雄さん)は邪悪じゃない部分が面白いです。
主な登場人物は約20人。
たった2時間少しの映画で、20人分の裏と表が見れる作品は他にないと思います。
日曜日に行った映画館は満席で、10代後半~60代くらいまで幅広い年齢層が観に来ていたようでした。いろんな人の笑い声が聞こえて、微笑ましい時間でもあったように感じます。
「今の自分にはしがらみが何もない」という壮大なテーマ
石をぶつけられたことで、ほとんどの記憶をなくし大切なものが何なのか、一から気づくことになった総理大臣。地位も名誉も、家族の存在さえも忘れてしまい、全てのことを一から始め直します。
浮気をしている妻との関係も、一から。
W不倫の夫婦関係も、「妻の顔がタイプで好きになったんだ」という素直な気持ちを伝えなおして結果やり直すことができました。
勉強も、プライドがないからこそ一から学ぼうという気持ちになれますよね。
私はまだ20代後半の若者ですが、自分が少し知っていることを改めて一から学ぼうという気持ちにはなかなか自発的にはなれません。
「これを機に、からはじめてみよう」と思えることが多ければ多いほど、人生は豊かになるのだと感じました。
最近夫との関係で悩むことが多い私ですが「今までの夫とのいざこざを忘れて、一から始めてみよう」と思えればどんなにいいのかな、なんて思ったり…。笑
息子、篤彦は父親のどこが嫌いだったのか
総理大臣の息子、黒田篤彦。お父さんに嫌悪感を抱いていて、わかりやすい反抗期状態です。
よく映画でみる親子関係って「昔のかっこよかったお父さんに戻ってほしい!」っていう子どもの気持ちが多いように思いますが、この映画は違うように思えました。
総理の夫婦関係のストーリーを見てもそうですが、きっと昔は政治家としてではなく家族として父親を尊敬していたんじゃないでしょうか。
妻を愛する夫。そんな関係があるだけで家族の形は幸せだと思います。
だから母親に対して誠実でまっすぐな気持ちを中継越しに伝えた時、篤彦もすごくほっとしたような表情だったんじゃないかなと思ったりしました。
「失ってからが始まり」だと思える映画
変わりたいと思っても、過去が邪魔して変われない。過去には戻れないし、終わったことは変わらない。
だけど、自分の中で過去をなかったことにすることはできる。
映画から伝えたかったことは、作品を作った人達にしか分かりませんが私はそんな風に思いました。
今あなたがやりたいことを邪魔するものはなんですか?
それが自分の「過去」なら、きっとこの映画をみて少し勇気がでると思います。
笑って泣いて、まさに三谷幸喜監督の映画だなぁって思える作品です。
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